児童虐待
その行為が「子どものしつけ」と考えていても、お子さんが苦痛を感じていれば「虐待」にあたります。
児童虐待の分類
児童虐待防止法では、保護者などの「児童虐待」を次の4つに分類しています。身体的虐待
殴る・蹴るなどの暴力、たばこの火を押しつける、逆さ吊りにする、屋外に長時間しめだすなど性的虐待
性的いたずら、性的行為の強要、性器や性交を見せる、ポルノグラフィーの被写体などを子どもに強要するなど心理的虐待
無視、拒否的な態度、罵声を浴びせる、脅迫、兄弟の間での極端な差別扱いなど※子どもの目前での配偶者に対する暴力(DV・ドメスティックバイオレンス)で、子どもに著しい心理的外傷を与えるものを含む
ネグレクト(養育放棄か怠慢)
適切な衣食住の世話をせず放置する、病気なのに医師にみせない、乳幼児を家に残したまま頻繁に外出する、乳幼児を車の中に放置する、家に閉じ込める(学校などに登校させない)など※保護者以外からの身体的・性的・心理的虐待と思われる行為を保護者が放置することを含む
児童虐待が起きる要因
- 仕事、生活上の強いストレス
- お子さんが子育てに手間のかかるタイプ
- アルコール、薬物依存
- 失業などの経済的問題
- パートナーとの不仲
- 子どものころに虐待を受けた
しつけと虐待の違い
どこまでがしつけで、どこからが虐待なのか。その境界ははっきりしませんが、しつけはお子さんの行動の悪いところを正して良い方向に向けるものです。もしも体罰でお子さんがおびえたり、お子さんの心に傷が残ってしまうようなら虐待です。
また、怒ったときにはコントロールが効きにくいので、しつけのつもりでいても虐待になってしまうことが少なくありません。
児童虐待が与える影響
虐待を受けている子どもは、最も安心できるはずの家庭の中に、存在を認めてもらえる心理的・物理的な居場所がありません。
「こころの傷」を一度作ってしまうと、癒すのに時間がかかりますし、発達に大きな影響を与えてしまいます。
また、「こころの傷」で心身の不調、睡眠の乱れ、記憶の障がい、感情面の問題、さらには対人関係など、生活全般に多くの症状が出やすくなり、大人になってからも、社会生活を送るうえでの大きな負担を背負わされることになります。
児童虐待はどこの家庭でも起こる
経済的な不安もなく円満な家庭でも、子育てでいら立ちを抱えている人は多いはずです。疲れがたまっていると叱る声が大きくなったり、いつもは気にならないお子さんの行動にもヒステリックに反応してしまうなど、誰しもが経験しているのではないでしょうか。
八方ふさがりの状況で子育てをしていると、お子さんの行動に過敏に反応し、それが児童虐待の発端になります。
大切なのは、虐待が起きてしまう前に周りが気づくことです。
もしも知り合いが子育てに悩んでいるようなら、話を聞いてください。
まずは気持ちを受け止めることが重要です。
否定したり説教したりせずに一緒に解決の方法を考える手助けをしてみましょう。
とにかく、悩んでいる人をひとりにしないでください。
そして、当事者もひとりで悩みを抱え込まないこと。
あなたの悩みを真剣に受け止めてくれる友だちに話を聞いてもらいましょう。
また、市の「家庭児童相談」を利用すれば、さまざまなサポートを受ける手がかりにもなります。
まずは電話相談から始めてみましょう。
家庭児童相談の詳しい内容はこちらをご覧ください。
児童虐待の早期発見
児童虐待対策のポイントは「早期発見」です。次のような状況が見られるとき虐待の可能性が考えられます。
あてはまる項目の多い少ないで判断するものではありません。
それぞれの項目の中には、虐待によるものではなく、障がいやその他の要因によるものもありますので、その点を考慮する必要があります。
虐待を疑わせる子どもの状況
- 複数の傷やケガ、やけどのあとがある
- 傷や家族のことで不自然な回答が多い
- 身長や体重など、発育不良が見られる
- いつも同じ服を着て汚れている・季節にそぐわない服を着ている
- 長期間入浴していない状況がうかがえる
- 抱こうとすると逃げたり、からだを硬くする
- 表情が乏しく、受け答えが少ない
- 大人の顔色をうかがったり、接触を避けようとする
- 保護者の前では硬くなり、極端におそれている
- 子どもと保護者の視線がほとんど合わない
- 食べ物への執着が強く、与えるとガツガツ食べる
- 近所で悪質ないたずらや、万引きを重ねている
- 虫や小動物をいじめる
- 落ちつきがなく、過度に乱暴だったり、弱い者に対して暴力をふるう
- 理由がはっきりしない欠席・遅刻・早退が多い
- 下校時刻が過ぎても家に帰りたがらない
- 不自然な時間に徘徊している
虐待を疑わせる保護者の状況
- 子どもがけがをしたり、病気になっても医者に見せようとしない。けがの説明が不自然である
- 健診を受けさせない
- 人前でも厳しく叱ったり、ののしったりする
- 子どもを抱いたり、話しかけたりしない
- 子どもが泣いたり、何かを要求していても関心を示さない
- 保育所、幼稚園、学校などを無断で休ませる
- 提出物を持たせなかったり、子どもの持ち物に配慮がない
- 保育所などの迎えの時間が遅い
- 話し合いや面談を拒む
- 近所づきあいがほとんどない
- 子どもだけの夜間の留守番が多かったり、連絡がとりにくい
- 保護者自身の表情が硬い
- 親の服装と、子どもの服装がちぐはぐである
虐待かなと思ったら
子どもが虐待されているように感じるか虐待を発見した人は市役所や児童相談所に、また生命の危険がある場合には警察署などに通報しなければならない法的義務があります。(児童虐待防止法第6条)間違いの場合でも連絡(通告)した人が責任を問われることはありません。
また、相談や通告した人の秘密は守られます。
通報するときには、虐待の状況(不自然な傷・不自然な子どもの説明・様子など)や日時などを記録しておくと対応がスムーズです。
児童虐待通報先
北海道室蘭児童相談所
所在地:北海道室蘭市寿町1丁目6番12号(電話:0143-44-4152)北海道室蘭児童相談所のホームページはこちらをご覧ください。

札幌方面伊達警察署
所在地:北海道伊達市館山町10番地22(電話:0142-22-0110)札幌方面伊達警察署のホームページはこちらをご覧ください。
