農業は、私たちが生きていくうえで決して欠かすことのできない「食料」を生産する、人間にとって最も根幹になる産業です。
伊達市は、農業とともに歩んできたまちで、いち早く西洋式農法などの新しい知識や技術を積極的に導入し北海道農業の発祥地として発展してきました。
開基から140年余りを経過した現在でも変わらずに、農業は伊達市の基幹産業です。
特徴
農業は、土地を耕して種や苗を植える稲作や畑作に、観賞用の草花を栽培する「花き」を加えた「耕種部門」と、乳牛から牛乳をしぼり、乳製品をつくる「酪農」に、肉牛・豚・鶏などの飼育・生産を合わせた「酪農畜産部門」の2つに大きく分けられます。
伊達市の農業は、これらを組み合わせた複合経営の「都市近郊型農業」として発展しました。その中でも特に畑作が盛んで、野菜が「耕種部門」出荷額の約60%を占めています。
キャベツ、レタス、長いも、カリフラワー、ブロッコリー、ホウレンソウ、長ねぎ、トマトなどが重点作物として栽培され、白菜、キャベツ、ねぎ、レタスは高い生産性を誇ります。
四季を通じて温暖な気候の伊達地区と涼しい気候の大滝地区との組み合わせで、多種多様な農産物を出荷し、特に野菜の栽培品目は、約70種類にもおよびます。
また、花きは、グラジオラスやトルコギキョウ、デルフィニウム、スターチスなどを栽培する道内有数の生産地域で、特にグラジオラスは、北海道の作付面積の3分の2を占めています。
酪農は、ホルスタイン種、ジャージー種、ブラウンスイス種の乳牛が飼育され、生乳の生産が行われています。
畜産は、肉牛、豚、鶏の飼養が行われ、養豚、養鶏は、個人経営の他に農業生産法人などによる大規模な飼育が行われています。
肉牛も黒毛和種とF1(乳牛と肉牛のかけあわせ)と呼ばれる交雑種の飼育が行われ、主に子牛が道内外の肥育農家へ出荷されています。
安全・安心・環境に配慮した農業への取り組み
近年、消費者は安全・安心な農産物を求めています。
自然環境に優しい「農業技術」や「土づくり」、「農薬・肥料の低減」に取り組む北海道のクリーンな農業を広めるため、農業団体や消費者団体、自治体などで構成する北海道クリーン農業推進協議会(所在地:札幌市)の「北のクリーン農産物表示制度(Yes! clean表示制度)」に、伊達市内のトマト、かぼちゃ、ばれいしょ、キャベツの野菜生産部会が認定を受けています。
また、土づくりや減化学肥料・減農薬などの環境に優しい農業に取り組む農業者を、北海道が認証する「エコファーマー」制度に、伊達市内の約30戸の生産者が認定され、水稲、小麦、葉物野菜、果物などさまざまな農産物がエコファーマー作物として市場に出荷されています。
伊達市の代表的な作物
- グリーンアスパラ
- ホワイトアスパラ
- ピーマン
- きゅうり
- にんじん
- 大根
- てん菜
- 長イモ
- 米
- 麦
- 普通小豆
- 大納言小豆
- メロン
- アロニア
- にら
- かぶ
- なす
- ズッキーニ
- ヤーコン
- パプリカ
- 小松菜
- さやいんげん
- ささげ
- にんにく
- 百合根
- しいたけ
※資料提供(JA伊達市・JAとうや湖)
統計でみる伊達市の農業
伊達市の農業・統計表
農家数
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641戸
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農地面積
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6,413ヘクタール
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農家一戸あたりの農地面積
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約10ヘクタール
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乳牛飼養頭数
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2,393頭
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肉牛飼養頭数
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1,345頭
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豚飼養頭数
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6,035頭
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鶏飼養羽数
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1,567,010羽
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農業産出額
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43.8億円(耕種部門)
47.5億円(酪農畜産部門)
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※参考資料: 伊達市農業振興地域整備計画(平成24年1月現在)・ 伊達市調査(平成24年2月現在)
面積1ヘクタール:10,000平方メートル(サッカー場2面程度)