高齢者の「介護」と「虐待」の問題
高齢者虐待の相談は全国的に年々増加しています。
厚生労働省では、平成19年度から全国の市町村と都道府県を対象に高齢者虐待の対応状況の調査を行っていて、令和元年度に高齢者虐待と認められた件数は、要介護施設従事者によるものが644件で前年度より23件(3.7%)増加し、養護者による虐待は16,928件で前年度より321件(1.9%)減少しました。
虐待を受けた高齢者の要介護度と虐待の程度(深刻度)の関連性では、要介護度が重い場合に虐待の程度(深刻度)が高いことがわかっています。
また、虐待を受けた高齢者の寝たきり度と虐待の程度(深刻度)の関連性でも、寝たきり度が高い場合に虐待の程度(深刻度)が高いことがわかっています。
市でも、高齢者虐待に関する相談件数は年々増加していて、中でも認知症介護が原因の虐待に関する相談が多くなっています。
介護の負担を軽減するために
介護する家族の負担は想像以上に大きなものです。「家族だからこそきちんとしなければ」という責任感や介護の疲れなどから虐待が始まることも少なくありません。
専門家に認知症の高齢者への対応の仕方などの助言を受けたり、社会的なサービスを利用して介護者の負担を軽くすることで、高齢者の虐待を未然に防ぎ、状態を改善できることがあります。
悩んだときは、市高齢福祉課や市地域包括支援センターに相談してください。
市地域包括支援センターの詳しい内容はこちらをご覧ください。
こんなことが「高齢者虐待」
高齢者虐待の種類と内容
種類 |
内容 |
具体例 |
身体的虐待 |
暴行を加える |
- 平手打ちをする、つねる
- 殴る・蹴る
- 食事を無理やり口に入れる
- ベッドに縛りつけたり、意図的に薬を過剰服用させ、身体を拘束、抑制する
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心理的虐待 |
精神的な苦痛を与える |
- 排泄の失敗を笑ったり、それを人前で話すなどして恥をかかせる
- 怒鳴る、悪口を言う
- 子どものように扱う
- 意図的に無視をする
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経済的虐待 |
金銭や財産を勝手に使う |
- 必要な金銭を渡さない、使わせない
- 本人の不動産や年金、預貯金などを本人の意思や利益に反して使用する
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性的虐待 |
性的な行為を強要する |
- 罰として下半身を裸にして放置する
- キスなどを強要する
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ネグレクト
(介護や世話の放棄・放任) |
世話をしない |
- 髪が伸び放題だったり、皮膚が汚れている
- 入浴させないため、異臭がする
- 食事や水を与えず、栄養失調の状態にある
- 必要な介護サービスや医療サービスを制限したり、使わせない
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虐待が起きない地域づくり
見守りの第一歩
「こんにちは」などの挨拶や日常生活での声かけが地域からの孤立を防ぎます。
気づきの第一歩
高齢者や介護者がいつもより元気がないなど、気になるときは「どうかしましたか」と一言声をかけましょう。
助け合いの第一歩
新聞が何日もたまっていたり、夜になっても部屋の電気がつかないなど、虐待につながる小さなサインに気づいたときは、早めに市高齢福祉課や市地域包括支援センターに相談をしましょう。
緊急の対応が必要と感じたとき
「高齢者の虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)」では、虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合、速やかに通報することが義務づけられています。
通報を受けた側にも、通報者や届け出た人を特定する情報を守る義務があります。
「おかしいな」と感じたら、ためらわずに市担当課や市地域包括支援センター、警察などに相談してください。
伊達市高齢者虐待対応マニュアル第2版を作成しました
市では、平成19年度に高齢者虐待の未然防止や早期に発見して対応するため、伊達市高齢者虐待対応マニュアルを作成しました。しかし、虐待相談件数の増加や認知症の高齢者の増加、老老介護などが原因で問題が複雑化・長期化するケースも増加しています。
そこで、市民の皆さんや関係者の皆さんが高齢者虐待のサインに早期に気づき、支援がスムーズに進められるよう、「伊達市高齢者虐待対応マニュアル第2版」を作成しました。
市や市地域包括支援センターなどの関係機関の役割や具体的な対応の流れなどを掲載していて、在宅編(養護者による虐待対応編)と施設編(養介護施設従事者等による虐待対応編)があります。
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