乳児ボツリヌス症の予防のため、1歳未満の乳児に、はちみつなど、ボツリヌス菌の芽胞に汚染される可能性のある食品を与えるのは避けてください。
乳児ボツリヌス症とは
乳児ボツリヌス症は1歳未満の乳児特有の病気で、口から摂取されたボツリヌス菌の芽胞(植物に例えると種子のような耐久型の菌の状態)が、乳児の腸管内で発芽・増殖してボツリヌス毒素を出すことで発症します。
生後3週間から6ヵ月の乳児に多く見られますが、1歳未満であればどの月齢のお子さんでも発症のリスクがあります。これは1歳未満の赤ちゃんは、ミルクや母乳など栄養価の高い食事をとることと、腸の粘液の自浄作用が未熟で腸内環境が整っていないことから、ボツリヌス菌の芽胞が腸内で発育・増殖しやすいためです。
ボツリヌス症の症状
初期症状は、便秘が続く・母乳などを飲む力が弱くなる・よだれが増える・泣き声が小さくなるなどがあります。症状がひどいと呼吸困難になることもあるので、異変を感じたときはすぐに受診しましょう。
潜伏期間が12時間から36時間あるといわれ、主な症状は神経麻痺症状です。突然の発症から数日かかって徐々に発症する場合もあります。
予防方法
ボツリヌス菌などの特定の菌は、増殖に適さない環境下でも芽胞を形成し、加熱や乾燥に対しても高い抵抗力を持ちます。
芽胞を死滅させるには120℃で4分以上かこれと同等の加熱殺菌が必要で、100℃程度では、長い時間加熱しても殺菌できません。
乳児ボツリヌス症の1番の予防策は、乳児にはちみつを食べさせないことです。
はちみつ自体はリスクの高い食品ではありませんし、お母さんがはちみつを食べても母乳に移行することはほぼありません。
ボツリヌス菌や乳児ボツリヌス症に関する詳しい情報は、厚生労働省のホームページをご覧ください。
厚生労働省のホームページ「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。」(外部リンク)