令和2年第1回伊達市議会定例会(2月28日開会)で、伊達市長が令和2年度市政執行方針について所信表明しましたので、その概要を抜粋しご紹介します。
第1章 はじめに
5期目の4年間、「第六次伊達市総合計画の着実な展開」、「未来を担う人材の育成・確保」及び「経営的な視点に立った行政改革の推進」を大きな柱として掲げ、市民の皆さまがこのまちで暮らしてよかったと心から思えるまちづくりに、全力で取り組んでまいりました。
昨年は、伊達邦成公が明治政府より有珠郡開拓を命ぜられてから150年の大きな節目でありました。
先人の偉業やこれまで積み重ねてきた本市の誇りある歴史を振り返り、まちの魅力を広く発信するため、記念式典をはじめ花火ショーの開催や伊達・大滝ロングトレイルの開設など、市民の記憶に残る市民参加型のイベントを多数行い、開拓者の精神を思い起こしながら、記念すべき1年を祝うことができました。
多くの市民が一丸となってアイデアを生みだし、工夫を凝らしながらつくり上げていく様子を目の当たりにし、このまちの将来への期待感がさらに高まったところであります。
これからも、あらゆる年代、性別及び境遇の人たちが活躍することができ、多様な価値観が尊重され、市民力が発揮される環境づくりに努めてまいります。
今後の経済や社会動向の変化を予測することは非常に困難ではありますが、市民生活にもっとも身近な基礎自治体としての役割を果たし、「豊かさを感じられる市民幸福度最高のまち」の実現に向けて新年度の市政の舵取りをしてまいります。
第2章 まちづくりの基本姿勢
私は、将来に希望のもてる「豊かなまち」を創るために、
「産業基盤の強化」
「補助から投資へ」
「市民とともに改革」
の3項目を重点政策として位置付けたところであります。
1点目は、「産業基盤の強化」について
市民の皆さまが豊かで健やかに暮らすためには、経済力を維持するための産業振興が必要不可欠であります。
そのためには、本市固有の地域資源を有効に活用し、力強く、発展が期待される産業を育て、多くの担い手を創出することが重要となってまいります。
本市の伊達野菜を中心とする農業は、極めて重要な産業であり、真冬でも新鮮で高品質な冬野菜を提供できる産地であることや、新たな試みであるワイン醸造用ぶどうの試験栽培など、活性化のツールが豊富にあることから、他産地との差別化が図られるような取組を進めてまいります。
また、本市の強みと特性を活かした稼ぐ力の高い産業基盤の強化や安定化が図られるよう、国営緊急農地再編整備事業などの必要な取組を進めてまいります。
大変難しい課題ではありますが、持続可能な産業基盤の確立のため、市民の皆さまと力を合わせ、実現に向けて着実に進めてまいります。
2点目は、「補助から投資へ」について
これからの人口減少や少子高齢化は不可避であり、まちの経済規模の縮小は避けては通れない状況ではありますが、創造性に富んだ活気あるまちをつくるためには様々な取組を続けていかなければなりません。
そのためには、これまで「補助」という考え方で行ってきた事業についても、将来における効果をしっかりと見据え、より多くの実践できる人材が活躍できるような「投資」へと発想の転換を図る必要があります。
これまでもまちの発展に寄与する投資を効率的に行ってまいりましたが、市内高校2校の再編を1つの契機とし、地域特性を活かした教育を強みとし、人材への投資を長期的な視野で取り組んでまいります。
また、新たなビジネスモデルの確立に繋がる投資を積極的に行いながらも、限られた財源を有効に活用することで、より競争力の高い、選ばれるまちを目指してまいります。
3点目は、「市民とともに改革」について
本市においても急速な人口減少が顕在化しており、財政規模の縮小は近い将来の現実的な課題となっております。
これまでも職員数の削減や事務事業の見直しなどによる「行財政改革」を進めてまいりましたが、今後より重要となるのは財政の健全性を守ることと地域発展のための攻めの行政運営のバランスであると感じております。人口減少に立ち向かうためには、この攻守のバランスを見極めながらまちづくりを行っていくことが重要となってまいります。
昨年からスタートいたしました「第7次伊達市総合計画」を着実に進めていくためには、行政主導ではなく市民力を生かした「市民とともに改革」を基本としながら、あらゆる改革を市民の皆さまとともに具体に進めてまいります。
第3章 予算編成の基本方針・第4章主要施策の概要
詳しい内容は、下記データからダウンロードしてご覧ください。
第5章 おわりに
本格的な人口減少時代に突入し、近い将来、多くの自治体で経済力を維持することが難しい状況となることが予想されます。
しかし、この厳しい時代に目を背けることなく、本市が持つ潜在的資源の掘り起こしを行いながら、前向きに挑戦し続けることで、新しい時代を切り拓いていくことができると確信しております。
昨年は、伊達150年の節目の年でありました。これからは151年、200年に向けて、市民一人ひとりが英知を結集し、固定観念に縛られない柔軟で「Free(フリー)」な思考を持ちながら、まちづくりへの新たな挑戦をすることが必要であります。
そして、本市の歴史、文化、産業、市民力など本市が持つ魅力すべてが渾然一体となることで、さらなる展望が開けると信じております。
市民の皆さまとともに策定した「第7次伊達市総合計画」に掲げた将来像の実現に向けて、多くの市民がまちづくりの担い手となり、共に支え合い、豊かさを感じながら、将来も住み続けたいと思えるようなまちを目指して、市民の皆さまとともにまちづくりに取り組んでまいります。
市民の皆さまに、今後とも一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。
PDFファイルをご覧になるには、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない場合は、"Get Adobe Reader"アイコンをクリックしAdobe Readerをインストールの上ご参照ください。