蝦夷三官寺(有珠善光寺)が北海道遺産に選定されました!
次の世代に引き継ぎたい北海道民の宝物を守り・育て・活用することを目的に、平成9年に「北海道遺産構想」がスタートしました。
平成13年の第1回に25件、平成16年の第2回に27件が選定されていて、このたびの第3回北海道遺産選定で15件のうちの1つに蝦夷三官寺が選定されました。蝦夷三官寺(有珠善光寺)の素晴らしさを、地域の方と連携し、歴史的・文化的資源の魅力を国内外に発信すると共に、伊達市の魅力を高めていきたいと思います。
北海道遺産の詳しい内容はこちらをご覧ください。

蝦夷三官寺とは
江戸幕府が1804年に現在の伊達市・様似町・厚岸町に建立した3つの寺院の総称です。各寺は蝦夷地で死亡した和人の葬儀とアイヌ民族への仏教布教を目的に建てられました。背景には対ロシア政策として幕府による蝦夷地支配を示す狙いがありましたが、アイヌと和人の文化接触は比較的緩やかであったため、アイヌ文化の儀礼・祭祀の独自性や各寺に対する信仰と崇敬の念が保たれたまま今日に至っています。そこには明治期以降とは異なるアイヌと和人の関係史が見てとれます。
有珠善光寺
様似等澍院
厚岸国泰寺
有珠善光寺
826年に比叡山の僧であった慈覚大師が本尊阿弥陀如来を安置したことが開基であるとされています。その後1612年、松前藩主の松前慶広が有珠を訪れ、翌年の1613年に如来堂を再興。阿弥陀仏を安置して善光寺と称しました。1804年に蝦夷三官寺の1つになり、本堂や隣接する客間が再興されました。江戸時代の面影を残す寺院の建物は、国の指定史跡になっていて、境内にある善光寺宝物館では、円空作の観音像や釈迦如来立像などを見ることができます。
また、有珠善光寺に隣接する善光寺自然公園の石割桜は、かつて有珠山の大噴火で吹き飛んだ噴石を割って成長したという、胆振地方で最も有名な桜の大木で、「花の寺」としても親しまれています。
善光寺自然公園
